紹介屋

サラ金関係者は当然ですが、一般の人でも紹介屋が何たるものかはご存知だと思います。

しかし相変わらず紹介屋が繁盛し、紹介屋に注意を促す啓発広告があるということは紹介屋が何たるかを知らない人が多いということでもあります。

ここで挙げているような紹介屋は今後消滅する?

ここで挙げている紹介屋は、以降の注釈で挙げる「業界経験があれば現在の借り入れ総額でどの業者がどれくらい貸すのかは大よそわかる」という経験則によって成り立っています。この点でところが、2010年の法改正によっていわゆる紹介屋に申し込む人の大半が正規業者では借りられないことが、これも「経験」でわかってしまいます。つまり、商売(?)として成り立たなくなるわけです。

となると、今後はそれこそ非正規業者=ヤミ金を紹介するという、言ってしまえば「本当の意味での紹介屋」のみになることが予想されます。

紹介屋とは?

申込者に対して「自社で融資できないが知り合いの業者で借りられるようにしてあげる」というものです。

で、これが何で被害につながるかというと、紹介料(後述するが紹介はしていない)という名目で融資金額の3~5割もの金額を手数料として要求してくるからです。

こんなバカげた話は常人では信じられないのですが、引っ掛かる人は引っ掛かってしまいます。

というのも、紹介屋というモノが金融屋を紹介する事業としてサラ金とは別に存在している、と認識している方が多いらしい(アンケートより多数)

僕をはじめ事情知りは紹介屋の広告を見ると「あぁ紹介屋か~」って思うのですが、引っ掛かる人たちは最期の最期まで消費者金融だと思っているようで、「紹介屋は悪い」とは知っていても自分が電話した先が紹介屋であることに気付きません

これが紹介屋の被害と存在がなくならない最大の理由と思われます。

紹介屋の手口

紹介屋のしくみはとても単純なゆえに一律の流れが存在するため、見分けるのは容易いといえます。

三流週刊誌や共同チラシにある「融資広告」を見る(下図参照)

大手業者よりも格安金利であり、なおかつ「審査なし」などという文言が記載されているので「申し込もう」という気になります。ちなみにドロ沼多重債務者のみならずマッサラな人も引っ掛かります。

自分の氏名住所などのプライバシーを申告する

当然のことですが弱みを握られたに等しい。これによって後述する紹介屋の要求を心理的に突っぱねにくくなります。

申込みが終るとテキトーな理由で「融資できない」と言われる

ここで「融資できないが知り合い(もしくは提携)のサラ金で借りられるように便宜を図るがどうか?」と尋ねてきます。ここで「いらん!」と回答すると以下のようなことを言われます。

  • アンタは金融ブラックに載っているのでドコからも借りられない
  • ウチが手助けしないと今後も金融トラブルになりかねない
  • 既に情報操作の手配をしているので止めたら損害賠償を請求する

などといった脅しをかけてきます。

電話を切ってしまえばそれまでなのですが、先にプライバシーを握られているので実際に電話を切るのは難しいといえます。

「紹介先」のサラ金の場所を聞く

聞くとそこは誰でも知ってる大手中堅のサラ金

もちろんですが、既にソコで借りていればカネは借りられません

紹介先(というのも妙ですが)は先ほどの申込み時に「実際どれくらい借りてるか?」を想定し、なるだけたくさん借りれそうな業者を指定しています。

業界経験が1年くらいあれば、借りてる件数と金額に応じてどの業者が幾らくらい出すのか予想するのは容易いです。

当然ですが紹介屋とサラ金のつながりはドコにもありません。(元社員ってのはあるかもしれない)

「紹介先業者の役員と知り合い」とか「信用情報を操作する」とかいう誘導手口もありますが、仮に紹介屋がサラ金の役員と知り合いだったとしても役員は現場実務はしていないのでどうにもなりませんし、信用情報に到っては完全管理されたパート社員が操作しているので手の出しようがありません。

ウソであることはちょっと考えれば誰でもわかります。少々キツくいうならば、社会人ならそれくらい考えるのが普通です。

支払方法について聞くと「半年は借り先の言い値で払い、その後は金利を修正するので○○円でよい」などと言うところもあるようですが、元々根拠のない話なので突っ込んで聞いても曖昧にしか答えてもらえません。

紹介先で借りる

無論、そこで借りれるのは紹介屋のおかげではなく元々借りれるからです。次に書く紹介屋への手数料は借りた金額の何パーなので、たくさん借りれる申込み方法を紹介屋で伝授(?)してくれることもあります。

何度も紹介屋に引っ掛かる人は、ここで借りれたのが紹介屋のおかげと信じてしまいます。「ありがたい」と勘違いするのでカモられていることに気付かないわけです。こういう人には何を言っても聞く耳もたないのが厄介・・・ 

紹介屋から手数料(紹介料)の請求が来る

融資金額の5~5割を銀行振込するように言われます。

そんなのは無視すればいいのですが、「高い!」とか「払わん!」とか言って拒否すると、「アンタを金融ブラックに載せることだってできるし払わないと今後も金融トラブルになりかねない」などといった例の脅しをかけてきます。

既にプライバシーを握られているので紹介屋に電話してしまうような意志薄弱な人が拒否できるわけがありません。

「紹介料は払わないで!」とサラ金の店頭にポスターが貼ってあっても「時既に遅し」であります

その後

仮に運良く(?)電話を切ったとしても今度はDMや勧誘電話などがある時期を堺に一斉にやってきます。ご想像どおり、申込内容の情報が出回ってしまったということ。

対処

「どうすれば?」という疑問が出ますが・・・ハッキリ申します。

どうしようもない。

不用意な行動をとった自分への戒めと思って忘れるしかない。強いて言うなら「次からは引っ掛からないようにしましょう」としか言いようがありません。払ったお金はあきらめるしかないし、情報流出によるDM攻撃も防ぎようがないです。

紹介屋が要求するお金はアナタが任意で払ったものです。インチキには違いないですが騙していないので詐欺で訴えようとしてもムダ。

即ち、「あそこの金融屋で借りれるヨ」という「コトバ=アドバイス」にお金を払い、結果的に借りれた後に「報酬」を払っているのですから騙してはいません。

違法性を問うこと自体は可能なので現場を知らない駆け出しの法律屋や司法オタクは「お金は取り返せる」と言いますが、シロウトでは太刀打ちできない問題なので法律のプロに依頼することになる。

しかし弁護士の着手費用は10万円から。加えて成功報酬もあります。

つまり、法律屋に依頼すると紹介屋にやられた以上のカネがかかるわけです。

実にリアリティのない話ですよね。なので高い授業料だと思ってあきらめるしかないです。

念のため書いておきますが、借りたサラ金にはサラ金で契約した利率でキチンと払いましょう。

広告を暴く

※画像はフィクションです。(2000年作成なので古いです)

紹介屋広告

三流週刊誌、新聞折込、共同チラシでお目にかかります。

特徴はというと・・・・

  • 「融資金額1000万円」、「金利2.9%」というように正規業者と比較すると異常なほど好条件になっている
  • コンピュータ審査なし、担保保証人不要など、似た広告と共通した書式になっている
  • 貸金業登録番号が、「都(東京都知事の意)で更新番号が①」になっている。⇒【都(1)】
  • 電話番号がフリーダイヤルのみとなっている。

これらはほぼ全てが紹介屋の広告なので注意したい。上記のハッタリ広告を例に各項目の内容を暴いていくと・・・

特別ご融資キャンペーン
これはまだおとなしいですが、「貸し渋りなし!」とか「融資率100%」とか書くと貸金業法の禁止事項に引っ掛かります。
即日銀行へ振り込み
その前に「カンタン審査」があります。タテマエ上はこの審査で却下となり他社を紹介するのですが、この審査で肝心の振込口座を聞いてこないことが多い。
「会員50万名」 「融資総額1兆円」
一般的なサラ金で支店あたりの顧客数は5000~10000人。支店も持たずに50万の顧客を管理できるわけがありません。また、融資総額にいたっては最大手の武富士でさえ1兆5千億程度(平成2001年)。
「電話督促なし」「担保保証人不要」「ブラックOK」などなど
これがホントだとすると・・・・誰もカネなんか貸しません。(督促しないでどーやって回収するのでしょうね)

紹介屋に引っ掛からないようにするには?

実にカンタンです。

  • 住所の知れない業者には申し込まない
  • 年利15%より安い金利のトコには申し込まない

この2点を守れば紹介屋に引っ掛かることはありえません。

そして、紹介屋の広告にある、【無担保無保証 年利3パー 500万迄 即日振り込み】がホントに実在するかは様々な事情でここには書けませんが・・・

そんな融資があるなら僕が借りたい!

と、いえばおわかりでしょうに。

と、書くものの、やはり紹介屋に引っ掛かる人は後を絶たないでしょう。

一番の問題は冒頭のとおり、自分が紹介屋に引っ掛かっているという認識がないことです。

願わくはこのサイトを見て思いとどまる人が少しでもいれば・・・・・と思うこの頃です。

おまけな余談・・・なんで紹介屋やヤミ金の広告が雑誌に載せられる?

こういう広告が並んでいるページ(スペース)は代理店が介在しており、雑誌屋はその代理店と広告契約をしています。つまり出版社の側は、「あらかじめ紹介屋とわかっていれば載せないが代理店の枠なので関知しない」という逃げ方ができるわけです。

下っ端は、「代理店のやることなので規制できない」とか言いますが、これらの広告はいわゆる「定番」になっているので規制できないわけがありません。

当然ですが、表紙裏などは掲載料金も高額なので雑誌屋としてはオイシイ話。

以前某紙で「ヤミ金に注意」的なキャンペーン記事で当サイトが掲載されたことがありますが、その雑誌にさえデカデカと紹介屋の広告が並んでおりました。