グレーゾーン金利

2010年にはほぼ完全に決着がついたようです。

今となってはこのページの内容はまったく無意味なのですが、10年以上の長きにわたりサラ金業界にとって「軟らかい脇腹」であったこの問題を記録に残そうと思い、原版当時(2005年)のままにしてあります。

よって次の点に注意してください。

  • 赤色注釈ボックスを除き、「現在」とは2005年前後の時期を指します
  • 法改正によって解釈が変わっている内容も含まれます(たとえば現在では「グレーゾーン金利」ではなく「違法金利」です)

歴史資料の感覚でご覧くだされば作者冥利に尽きます。

いよいよグレーゾーン金利の是非に決着がつきそうな気配が出てきています。

肯定否定ともに意見が多いですが、その前に、グレーゾーン金利のしくみをおさらいしましょう。

グレーゾーン金利とは

グレーゾーン金利の仕組み

貸金業法を守る代わりに29.2%の金利を許可しているのが現行の考え方です。

昭和58年に貸金業法が施行されたとき、有力どころの金融業者はこぞって「貸金業法さえ守れば利息制限法を超えた金利を堂々と取ることができる」という考えに至り、これによって現在のサラ金王国ができあがっています。

ちなみに当時は年利40%が上限で、36%の期間を経て現在の29%。

要するに、サラ金の金利は国が認めているのです。

上記図の「ポイント」について・・・

  1. 貸金業法では取り立てや貸付に際してのルールがあり、これを守らなければ29%の金利を取ることはできない。
  2. リボルビング契約、即ち「初回貸付以降」の取引について曖昧になる。

即ち業務過程において、「違反・錯誤・強制」があると29%の金利はとれないです。

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出資法金利が否定されるプロセスを再度お勉強しましょう

2006年4月現在、消費者金融が採用する29.2%の出資法金利自体は違法ではありません。

利息制限法の15~20%を超える金利については、当事者の合意があれば29.2%までは認められています。

貸金業法43条の「みなし金利の有効性」と呼びます

では、どの時点で29%金利が否定されるのか?

出資法金利が否定される瞬間は、実はハッキリとしています。

ポイントはATM利用時の「明細書」

29%金利は当事者の同意があってはじめて有効となりますが、借り入れや返済の取引をATMで行うと当事者の合意について曖昧になります

当サイト管理人が消費者金融に在職していた2000年直前までは・・・

  • ATM利用時のレシートの裏面にある記述に法的な有効性があるかどうか?
  • レシートそのものが保管されているか?

・・が主な争点になりますが、膨大なレシートの中から当該取引のものを探し出すのは非常に業務の妨げになるので、結果として『探すのも交渉するのも時間のムダ』という理由で弁護士なりの言いなりで処理する方法が一般的でした。

その後・・・

  • ATMのレシート裏面にある記述は当事者の合意があるとは認められない

・・・という風潮になり、店頭取引の明細についても

  • 借主のハンコはあってもフェアな立場での取引とは言えないので合意があるとは認めがたい

・・・となり、それが書籍になって世の中に広まったところで現在(2005年末)に至ります。

追貸し一切なしのATM全撤去・・となれば、利息制限法を主張するのはムリ?

・・・です。

取引中の追加貸付や返済時は契約条項的に貸主の立場が強いので「自由意志による契約」を否定する材料が出てきます。この要素は少なからず43条主張の根拠になっているのですが、新規契約時は借主側に選択権があるので、あくまで「自由意志による契約」といえます

たとえば仮に・・・・

  • 金利は出資法金利の29%です
  • リボルビング契約ではないので枠内追加貸付はいたしません
  • 返済は店頭で行ってください
  • 返済時は元金に対して年利29%の日割り計算による金利を合わせてお支払いください
  • 金利に不満がありましたら利息制限法の金利で残金を一括でお支払いいただき契約を解除してください

サラ金の側がこれを鉄壁の姿勢で実施すれば利用者は利息制限法の金利を主張する根拠がなくなります。

しかし仮にそうなったとき、最も不都合が生じる人はどんな人か?

消費者金融の存在意義は金利をサービス対価として考えたときの利便性であるところ、出資法金利をクリアするための経営圧迫によってその利便性が損なわれてしまいます。(サラ金の顧客サービスは銀行とは比べ物にならないくらい優れています)

キチンと利用している人からすれば、こんなのは迷惑でしかありません。

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一方的な契約破棄はブラック入り → その後を考えたことはありますか?

現在(2006年4月)は知りませんが、僕が在職していたときは利息制限法主張による債務整理は自己破産と同様にブラックリスト入りが確定です。

裁判所が認めようがなんだろうがサラ金との契約を反故にしたことには違いないのです。

ちなみにこれが仮に対企業取引であった場合、利限法の主張は信義誠実の原則(民法第1条)に反する行為なので、こんなこと主張したら「オマエはアホか」といわれます。対企業取引と対消費者取引の感覚の違いを実感できる瞬間です。

利限法を主張する人は金融業者の敵であり、それをあらわすのが事故情報、即ち金融ブラックリスト。

念のため書いておきますが、「ブラック=犯罪者/社会の敵」とは違います。

その後において、彼ら彼女らは消費者金融からの借り入れはもちろん、クレジットカードやローンも組めなくなります。(借りる抜け道はありますが本題ではないので割愛)

借金が膨らんだ挙句にお手上げしてしまった人が、それが無くなったところで元の生活に戻れるとは限りません。

借金がなくなれば社会復帰できる生活基盤があれば問題ないでしょうが、そうでない人、即ち、根本的な家計が赤字の人は同じことを繰り返す可能性がきわめて高いといえます。

そういう人がどうなるのか?

どうなるかどうかは知りませんが、利息制限法による債務整理が流行りだした頃から急激に伸びてきた「ある問題」があります。

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利限法主張の増加とヤミ金被害増加の関係は否定できない

いわゆる090金融が増えてきたのはちょうど2000年頃でありまして、各地で出資法金利の違法性や利限法による債務整理や団体訴訟が活発化してくるのと比例してヤミ金の数や被害案件も増えてきています。

風が吹けば桶屋が儲かる

の理屈で考えると、利限法主張による債務整理で金融ブラック者が増えれば、それだけヤミ金に流れる人が増えるといえます。

考え方の一端で、『銀行が貸さないからサラ金で借り、サラ金が貸さなければヤミ金で借りる』といわれますが、これが事実だとすればヤミ金の需要増加の引き金を引いているのは利限法主張による債務整理であることは否定できません。

ヤミ金の増加には様々な要因があるので 【債務整理→正規では借りれない→闇金で借りる】 ・・・は少々極端な決め付けですが、近年の「出資法金利違法論」の浸透度と「ヤミ金の一般化」は無関係とは言い切れないと思います。

利限法主張による債務整理が一般化されていない頃はそれなりに世間を渡り歩く知恵を持っている人がそういう手段をとっていたと思うし、ヤミ金で借りようにも普通の生活をしていれば連絡先すら知りえない。

しかし今時は利限法主張による債務整理は多くの人が知ってますし、弁護士や司法書士も積極的に告知しています。

  • 供給元(サラ金)を抑制しても需要(借りたい人)は変わらない
  • あぶれた需要の受け皿は従来(正規業者)より悪い環境である
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学校などの勉強で利息制限法の問題を調べている方に知ってもらいたいこと

利限法による債務整理については弁護士や司法書士の先生が積極的に受任活動をしています。

とても社会貢献度の高いシゴトであるので困ったことがあれば相談すべきであり、相談できる相手がいることは間違いなく幸運だと思います。

最初に断っておきますが、以下の文章は弁護士や司法書士の方を否定するものではありません。

特に学校などの勉強でこの案件を調べている人に知ってもらいたいことが受任報酬

基本的に債務整理案件はお金に詰まっている人が依頼するのですから、報酬の「集金」は難しいものがあります。(実際、自己破産案件の報酬を踏み倒されている弁護士や司法書士はたくさんいます)

リセットを目的とする自己破産案件と異なり、利息制限法の主張は過払返還請求を金融業者に対して行います。

つまり、おおまかな取引状況を聞き取れば過払返還でどの程度のお金が戻ってくるのかは把握できるので、その中から受任報酬を回収することができることになります。

法律業の方にとって不愉快な表現を用いれば、利限法主張案件は回収が容易、即ち儲かるわけです。

社会貢献度の高いシゴトなので儲かるも何もないですし、積極的な告知活動をするからこそ助かる人が増えるのですから悪いとは思いませんが、一部法律事務所の広告宣伝はもはや異常といえましょう。

生計を立てるための告知活動は必要ですが、それを逸脱して利潤の追求を第一に考える法律業の人がいることも否定できないです。

勉強でこの案件を調べている人は、社会正義が全てではないことも知っておいて損はないと思います。

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