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合法的人身売買 派遣請負人材業の実態

合法的に行なわれる人身売買があります。
いわゆる派遣とかアウトソーシングと呼ばれる業界がそれです。
奴隷的売買を期待してこのページを見てる人には期待はずれですが、それに近いものはあります。

このページは旧版(2002年)からの再アップです。
現在(2006年)は関連法令に大幅な変更がありますので資料として読まれる方はご注意ください。

人材業とは? 派遣屋のしくみ

端的にいえば、人を集めて企業に売ることを生業にしている業種がそれです。
ここでは便宜上、人材業、もしくは派遣屋と呼ぶことにします。

世の中需要があって供給が起こるわけで、安い人間を求めている会社が数多く存在するからです。

企業が人一人雇用すると1人あたり約50万の経費がかかります。
仮に雇用したとすると本給の他に保険料などが発生します。
教育にかける費用や給料計算をする総務の人件費、あるいは万一の労災に関するカネなどの管理経費もバカになりません。

もうひとつの理由として、単純作業職の離職率(生産管理では「定着率」と呼ぶ)は非常に高く、それは正社員のみならずパートやアルバイトでも同様です。

そういった職場では、
募集にカネをかけてもなかなか人は集まらない、
集まってもスグに辞めてしまうのでまたまた募集にカネがかかる、

という悪循環が発生します。
このように人一人集めて雇用するのには莫大なカネとリスクがついてまわるのですが、企業の側はこういった業者から「買う」ことによって募集に関連するカネやリスクを払拭することができ、人材業の側は「送り込めば売上になる」という相互利益のもとに成り立っています。

基本的に人材業は募集時に実際の勤務会社を表示しない(できない)ため、これを利用して人を集めればそういった職場にもドンドン人を供給できることになります。

派遣業を求める考え方が格差社会を生み出す

「努力すればそれなりに報われる」
ということはつまり、努力を評価し、それを実現するシステムやポジションがその会社にあるからです。

以前は新入社員や自社採用のパートさんがやっていたポジションに派遣経由で送り込まれた人はあてがわれます。

社員であればそこがスタートラインでステップアップをしていきますが、派遣経由の社員は、たとえいくら努力しても評価はあくまで「キミ頑張ってるね」であり、よほどフレンドリーな会社でもお食事に誘われるのが関の山であります。

  • つまり、派遣経由では努力したところで「上」にはあがれない。
  • つまり、派遣経由では努力したところでお給料が増えたり重要な仕事を任せられることもない

つまり、派遣経由では努力したところで人間的に成長できたり生活が安定することはないわけです。

まずひとつに、これでヤル気が出るってほうがおかしいです。
「仕事の価値を見出せない人」を日本国はニートと呼んでいるらしいですが、その半分くらいはこれが原因であると僕は思う。

そしてもうひとつが、これによって正社員は特権階級となります。
国が発表しているサラリーマン平均年収550〜600万はその何倍もいる年収200万円所得者の犠牲によって成り立っているわけですが、特権階級となった正社員「階級」がその利権を手放すわけがありません。

ちなみに僕はこれを、階下に下ろしてハシゴを上げてしまったと表現しています。

賃金のしくみ

求人誌の紙面ではとかく「高給」を謳っています。
ところが本当に紙面で謳っているほど高給なのでしょうか?

額面自体はホントですが、結構胡散臭い内容が隠されています。

人材屋は企業からお金をもらい、そこから何がしかの管理経費を抜いて「給料」というカタチで実際に働いている人にお金支払いますが、人材屋もこういう募集に応募してくる人間がどういう人間なのかよく承知しているので当然のごとく足元を見て搾取してきます。

具体的にいうと、まずは「管理経費」という名目。

人材業の利益は純粋にコレなので抜くこと自体は当たり前なのですが問題はその額、実に4割以上
抜いた残りがいわゆる「給料」です。
つまり、時給¥1200の仕事で実際に請元会社が払ってるカネは¥2,000。
まぁ、4割ならそれほどボッタクリではなかったりしますがね。

そして給料の中から食費だ寮費だ作業服だと言う名目で最低100%の金額を徴収し、途中離職を見越した予測分まで徴収することも珍しくありません。

このあたり、法的義務がないものについては補助をしないのが人材業の特徴でもあります。

もちろん通勤交通費なども同じ。
これが出る人材業者、見たことあります??
総支給額で、事務系なら20万、肉労なら25〜30万。

所得税や市県税、さらには健保や年金はキッチリ差し引きされ、通勤費や寮費も差し引きで考えると実際の年間手取りが200万超えるのは極めて稀といえます。

ヤフーのトップ広告でベタベタ張ってある「年収800万派遣」というのは、事実には違いないが一般的ではないですよ・・・

生存権の侵害?
京都府のある団体がここ数年、「健康で文化的な最低限度の生活を営むにあたって必要な金額」をテーマに最低賃金で生活する実験を行っています。(リンク参照)
別ルートからの情報も併せてみてみると、「健康で文化的な最低限度の生活を営むにあたって必要な金額」を時給換算すると概ね¥1,150くらいだそうです。

ご存知のとおり「健康で文化的な〜」は憲法第25条に定められているものであり、義務(納税・教育・就労)を果たしている人を25条に沿わない環境に追い込むと生存権の侵害という違憲問題になる「はず」です。

つまり「実験」のテーマは、京都府に限らず各県が定める最低賃金ではキチンと働いているにも関わらず納税もできず教育を受けることもできないのは明白なわけで、それは明らかに生存権の侵害であろう、、

要は、違憲問題で騒ぐぞ!

・・・ということだと思う。(もちろんオトナの騒ぎ方ですが)
先のとおり、根拠をもった金額も具体的に出つつあるので、これが現実となれば「多くの人」が住みやすい世の中になると思うので、こういった主張はガンガンやるべきでありましょう。

「違憲問題になる『はず』」の「はず」が引っかかりますが、まぁ、25条はいわゆる努力目標なわけで13条幸福追求権と同じくどうにも正体が見えません。(←と僕は思う)

そも、時給¥800で人に何かを求めるなんてのは実におこがましいと思う。

・・というように、「高給」の認識や基準点が全然違うわけです。

結局これではカネなど貯まるわけがありません。
再び都会に出て働く資金もないまま年だけ食っていき、スキルが付かないので再就職もできず、結局は契約を延長するか他の人材屋を渡り歩いて30代半ばで解雇されるまで続けます。

まったくムチャクチャな話です。
しかしこのおかげで日本車は世界的高性能であるにもかかわらず低価格を維持していますし、液晶TVは巨大化しています。

要するに、「仕事」ではなく「作業」なのよ

人材業経由で送り込まれる場所というのは、それを依頼した企業にとっては皆々しょうもない部署です。
主には機械的な生産か利益を生まない雑用ですが、いずれも「脳ミソを使用しない職種」という点で共通しています。

いくつか具体的に挙げてみますと・・・・

  • 生産ライン
  • テレアポ
  • コールセンター
  • 会場設置・撤去
  • 試供品配布
  • アンケート回収
  • ケータイの販売 家電の販売
  • キーパンチャー
  • 営業補佐事務
  • キャンペーンレディ

ね、脳ミソ使わないでしょ?

え? バカにするな、脳ミソ使うって?

そりゃ確かに工夫とかしてる人はいらっしゃいますが、この程度の「雑務」で脳ミソ使ってるなんて言ってるよーでは世間知らずもいいとこです。
多少の個人差はありますが、生産計画を修正しなければならないほどの誤差は発生しません。

単純なハナシ、雇用主が望むレベルのスキルは1時間もあれば身につきますし、代わりの人は派遣屋に言えばいくらで確保できます。
雇用主が求めていることは「頭数」だけであり、別にアナタでなくても問題ないわけです。

つまり、これらは「仕事」とは呼びません。「作業」と呼ぶのが正しい。
こういう「作業」に就いている人をバカにするのは愚かなことですが、それを「仕事」だと思っているとバカにされますわな。

例外として、時間を切り売りしてるだけで目的は別にあるっていうのならムダに縛られないゆえに賢い職業選択をしてるといえます。

そういう人は目標に向かってガンバッてほしい。

「人材業=低コスト」の考え方が日本を解体している?

最近(2004〜2005)は、一般の大手企業がこぞって人材業を子会社として設立しています。

まぁ、名目上はさまざまでしょう。
別分野へ進出する、、、
からはじまって、自社のスキルを異業種の似たような職種で活用するとかありますが、その実態は自社の「作業的」なポジションの社員を出向という名目で子会社に放り込むのが目的。

するとどうなるか?? な〜んて前置きなんかいりませんね。
想像通り、人件費が浮きます。

浮くのですが、その金額はこれを読んでる半分くらいの人の想像をはるかに超えると思います。

何故ならば、大きい会社ほどベースとなる年収額は高額です。(世の常)
しかし子会社といえど名目上は人材業専業なのですから、そこでの賃金は人材業界の賃金ベースに合わされます。

以前、僕はとある大手企業に出入りしていたのですが、そこで営業事務やってる女の子(20代)が正社員から派遣扱いに転属させられ、同じ職場で同じ業務をしているにも関わらず見込み年収が約200万減となりました。
まぁ、僕からすれば元々が貰いすぎだった感もあるのですが、いきなりの200万減は、ともすれば生活に影響します。

同じく部署統廃合で無用になった管理職や現場のスキルを持ってる社歴の長い社員も同様に子会社へ出向、、それがイヤなら辞めろです。

ここでも先に少し書いた生存権の話になりますが・・・

会社が生き残るためだか利潤の追求かは知りませんが、結果として同じ職場で同じ業務をしているにも関わらず生活困窮に追い込んでいるのですから、これは明らかに雇用側の意思によるものといえます。
意思をもってやってるからには明らかに生存権の侵害なのですが、認められるかどうかは別にしても何故かこれについて騒ぐ人は見当たりません。

どんな理屈を並べても所詮は人身売買 

人を集めて企業に売る、、、
別にこれ自体が悪いとは思いませんが、人材業を経由して働いている人、あるいはこれから働こうとするなら、そういった業界では人間をコストとして扱っていることをよくよく理解すべきと思います。

ちなみに受入企業側にとっての費用分類は「人件費」ではなく「管理経費」です。
待遇が悪い、人間と思っていない、将来の保証がない、など、これらのことは全部「あたりまえ」です。
もっと言えば、ロボットに将来の保証なんてありえません。

人材業で働く人の不満や不安は皆々こういう扱いに対しての不満ですが、惰性ではなく「時間の切り売り」でやるならこういう不満は出てこないわけで、扱いに対しての不満は自分の立場をわきまえていないか単なる世間知らずのいずれかということになり、強者の論理で動く企業はそういった声に耳を傾けるわけがありません。

もちろん派遣屋は工場の生産ラインばかりに人間を送り込むわけではありません。
ソフト開発やサーバーの立ち上げに高度な技術を持った人間を送り込むこともあります。

こういった場合はどちらかというとハイレベルな分野が多いですが、一歩離れて考えてみれば、外注に出す仕事が面白い仕事であるはずがない。

感覚的なことではなく、将来性があったり人間性を豊かにする人的交流があったり、なおかつ企業が人的な利益を望んでいるポジションではないことだけは確かです。

そりゃそうです。
ブレインになるべき人には安くないお金をかけてキチンと育てます

キレイ事を言っても人身売買であることには変わりありません。
なぜならば、、、
人材屋が企業に渡す納品書には人間の名前が書いてあるのですから・・・

関連リンク

2004/**/** 初版
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